太ると膝が痛くなる。その理由と対策を簡単に解説!

太ると膝が痛くなる。その対策を簡単に解説!

太ると膝が痛くなる、もうこれは当たり前のことのように、決して医療に詳しくなくても読者の皆さんが認識している事実だと思います。恐ろしい事実ですね。

体質もありますが、歳を重ねるごとに太りやすい体になっていきます。そして特に何も気をつけることなく日常を過ごしていると、膝や腰などあらゆる所に痛みが出現するのです。
しかし、私は「何も気をつけることなく」、と述べました。そうです、気をつけていれば痛みから逃れることができます。

もちろん太ることからも逃れたいですね。今回は、膝の痛みから逃れるお話をしますが、太らないことへのヒントにもなるかと思います。

膝の仕組み

まず、膝について簡単に説明しましょう。

膝は人体の中で最も大きく、最も複雑な関節です。

間接的に働くものも含めると、4つの骨と11の筋肉が関係します。その他に数種類の靭帯・半月板・軟骨も関係しています。

主な働きは膝の曲げ伸ばしですが体重を支える荷重関節としても働いています。

体重がかかり衝撃を吸収する時には、骨と骨の間に存在する半月板や骨同士が接触する面を覆っている軟骨がクッションの役割を果たしてくれます。

この軟骨や半月板が体重によって潰させれてしまわないように、膝周囲の筋肉が働き支えてくれています。

なぜ太る

肥満の原因は様々ありますが、ここでは歳を重ねることによって太りやすくなることを簡単に説明します。

加齢により、全身の筋肉量が減少しやすくなり基礎代謝が低下します。代謝が低下するということは、蓄積する脂肪量が増加します。

筋肉量は減少し脂肪が増えていく、これが肥満を及ぼしています。

実際に、高齢者は一般成人の5%程度体脂肪率が高いといわれています。

①運動不足→②筋肉量減少→③基礎代謝低下→④脂肪増加→⑤太る→⑥痛みの発生→①運動不足、
といった悪循環が生まれるのです。この悪循環に陥ることで、人は益々太りやすくなってしまいます。

また、多くの方のこの悪循環の中に食欲増進が存在するかもしれません。社会活動を終え、家庭で過ごす時間が長くなり時間の流れがゆったりすると、ついつい口寂しくなるものだと思います。

基礎代謝は低下しているにも関わらず、摂取するエネルギー(カロリー)を増やしてしまうと益々太りやすくなっていきます。

なぜ太ると痛くなるのか

では、何故太ると膝に痛みが出現するのでしょうか。

膝は荷重関節として働く、と前述しましたが、単純に、太ると膝が頑張って支えなくてはならない荷重量が増える為、膝の負担になるのです。

衝撃がかかった時にクッションの役割を果たしてくれる、半月板や軟骨が存在しますが、これさえも潰してしまうのです。潰れてしまうと、骨同士が擦れ合うなどして炎症を起こし痛みを出現させてしまうのです。

どうすれば痛くなくなるの?!

さて、どうすれば痛みの対処ができるのでしょうか。

そうです、皆さんご察しの通り、太らなければ良いのです。ただ、これが何より難しい問題ですね。

少し、運動を始めてみましょう。摂取したエネルギー(カロリー)を消費する為には運動をする、これは皆さんも周知の事実だと思います。

脂肪組織の減量にも運動が適しています。あまりにも強度の強いマラソンのような運動は、脂肪よりも糖質を使ってエネルギーを消費します。

脂肪を効率よく減少するには、20分以上継続可能な軽~中等度の運動が最適です。少し早歩きでウォーキングに出掛けてみるのはどうでしょうか。もちろん、食べ過ぎにも注意です。

なるべく脂肪量を減らし、膝への荷重負担を減らす方法を説明しましたが、膝周囲の筋肉を鍛えることもとてと大切です。太ってしまったとしても、筋肉量が伴っていれば支える力は発揮されるのです。

太らないように気をつけると同時に、膝周囲の筋力トレーニングを行ってみましょう。ここでは太ももの前の大きな筋肉を鍛える運動を紹介します。

  1. 太ももの前の筋肉トレーニング
  2. 両足を伸ばして床に座ります。
  3. つま先と膝のお皿が天井を向くようにします。
  4. 膝の裏に筒状に丸めたバスタオルを置きます。
  5. ゆっくり3秒かけてバスタオルを潰します。

少し踵が浮いてきて膝が伸びるイメージです。

*無理のない範囲で10×3セットを目安に行います。

まとめ

太ると膝が痛くなってしまうことについて説明してきました。

もちろん、太るとこと以外にも膝が痛くなる原因は様々あります。スポーツ歴や仕事歴によっても変わります。「なぜ太る」で紹介した悪循環が、自分はどこからスタートしてしまっているのかを考えることが大切です。

元々膝に怪我を負っていたとしたら、痛みが出現することで運動不足になり、太ってしまったという流れになるでしょう。

怪我や病気で安静にしなくてはならない期間が長く続いたとしたら、運動不足や筋肉量の減少がスタートとなるでしょう。自身の根本的な原因を探って痛みの出現から逃れましょう。

ですが、今回のテーマであった「太る」ことに対処することは、どのような原因で膝の痛みが出現していたとしても、間違った対処にはならないでしょう。

 

参考文献

関節可動障害 その評価と理学療法・作業療法

スポーツ医科学