膝が変形しないようにするにはどうしたらいい!?O脚とX脚の原因と対処法
膝が変形しないようにするにはどうしたらいい!?O脚とX脚の原因と対処法
誰しもが、人生の中で一度は自分の脚の長さや形を気にしたことがあるのではないでしょうか。
膝が曲がっていないかな、反りかえっていないかな、昔は真っ直ぐだったのに。年齢を重ねるごとに気になるものです。
膝関節は、人体の中で最も大きな関節であり、尚且つとても複雑な構造をしています。
時には体重を支える為に荷重関節として働き、時には足を曲げ伸ばしする為に運動関節として働きます。体重を支えながら運動もする、働き者の膝関節にはとても大きなストレスがかかっています。
長年ストレスがかかり続けることで、上手に対処することができなければ変形性膝関節症と呼ばれるO脚やX脚に変形していき、痛みも発生するのです。痛みが発生してから、初めて対処しようとする方は少なくありません。
しかし、初めから上手に対処していれば大きな負担がかかっていてもストレスと感じずに、真っ直ぐで綺麗な、痛みのない脚のまま過ごせるのです。
ここでは、O脚やX脚になる原因・対処方法について紹介していきます。
O脚
O脚とは、内反膝とも呼ばれ膝が外側に彎曲してしまい、真っ直ぐに立っているつもりでも両膝の間に隙間ができてしまう変形のことを言います。
進行すると徐々に隙間が広がっていき、曲げ伸ばしにも制限が出てきます。個人差はありますが、膝の内側や外側に痛みが発生します。
では、何故O脚になってしまうのでしょうか。主な原因は3つに分けられます。
1.骨盤の歪み
人が静止している時、正常の骨盤は傾斜することなく真っ直ぐ立っています。
しかし、デスクワークなどで長時間椅子に座り背もたれに寄りかかった姿勢(猫背)を続けたり、毎日畑仕事をして前屈みになり腰を曲げた姿勢を続けたりしていると、骨盤は後傾(後ろに倒れる)してしまいます。
そうすると、股関節が外に開きやすくなり膝も外側に引っ張られていくのです。その為、骨盤が後傾して歪むことでO脚を発生させてしまうのです。
2.筋力低下
太ももの内側の筋力が低下し、外側の筋肉が強く働くと膝が外側に引っ張られてO脚になります。
ちょっとおめかしをして出掛けて、食事をしにレストランへ。日常とは離れた状況で背筋がピンと伸び、「脚を綺麗に閉じて座らないと」と緊張した経験がないでしょうか。
そのような時、意識していても段々と脚が開いていく方は少なくありません。大きな声では言えませんが、私はどんどん開いていきそうになります。
これは、内ももの筋力が低下しているということです。このような方は膝が外に引っ張られやすくなるので気をつけなくてはいけません。
3.歩き方の悪い癖
これは、ガニ股歩きのことです。
いつも靴底の外側ばかりが削れていないでしょうか。ガニ股になり、小指の方に荷重をかけて歩くことで徐々に膝は外に引っ張られていき、O脚になります。
自分の靴をみつめて、悪い歩き癖がついていないか調べてみましょう。
では、O脚にならない為にどのように対処すれば良いのでしょうか。
1.骨盤は真っ直ぐに
長時間同じ姿勢で過ごす時に特に気をつけましょう。
長く椅子に腰掛ける時、背凭れにばかり頼ってはいけません。腹筋を使って背を伸ばし、少し前傾姿勢になることを意識してみましょう。また、猫背になっていないか気をつけてみてください。
猫背になっていると、自然と骨盤は後傾し歪みやすくなります。
2.内ももの筋力強化
- 背凭れを使わずに椅子に座ります。
- 足の裏をしっかりと床に接地させ、膝は90度程度に曲げます。
- 両膝の間に柔らかいボールをはさみます。(ボールがなければバスタオルを筒状に丸めたものを使います。)
- 息を吐きながら、内ももを意識してゆっくり3秒かけてボールを潰します。
*踵は膝の真っ直ぐ下に接地させ、足が開かないようにしましょう。
*痛みのない範囲で、10回×3セットを目安に行いましょう。
3.歩き方の改善
まずは、自分の歩き方を意識して観察してみましょう。
いつもつま先や膝が外側を向いていたり、靴底の外側が削れている方は注意です。つま先を真っ直ぐ前に向けて、少しだけ親指の方へ荷重がかかるように意識して歩いてみましょう。
X脚
X脚とは、外反膝とも呼ばれ膝が内側に彎曲し、両膝をくっつけて真っ直ぐ立っても、両内くるぶしの間に隙間ができてしまう変形のことを言います。
O脚同様に、進行すると痛みが発生します。X脚も、骨盤の歪みや筋力低下、また筋肉の柔軟性の低下などが主な原因で発生します。
1.骨盤の歪み
X脚は、O脚とは反対に骨盤が前傾(前に倒れる)し続けることで発生します。
骨盤が前傾することで股関節が内に回りやすくなり膝も内を向き、この姿勢が長く続く事でX脚を引き起こすのです。
2.筋力低下
特にお尻の筋力が低下することで発生しやすくなります。
お尻の筋肉は太ももを外に向ける働きがあります。この筋力が低下する事で、股関節がどんどん内向きになり膝も内向きになっていくのです。
3.柔軟性低下
X脚の場合、内ももの柔軟性低下が目立ちます。
内ももの筋肉が過度に働き、太ももを内側に引っ張り続けている為です。その為、内ももの柔軟性を高める必要があります。
では、X脚への対処方法です。
1.骨盤の歪み
O脚同様に、良い姿勢を心掛けることが大切です。
反り腰にならないように下腹に少し力を入れ、骨盤を真っ直ぐ立てた姿勢を保ちます。
2.お尻の筋力強化
- 膝を軽く曲げて横向きに寝ます。
- 上側の足の膝が天井を向くように、上側の足をゆっくり開きます。
*痛みのない範囲で10回×3セットを目安に、両足行います。
3.柔軟性向上
- 足を伸ばして床に座ります。
- 片側の膝を曲げて、反対側の膝の上に足を置きます。
- 曲げた方の膝が床につくように、股を開きます。
- 伸ばしている方の膝をゆっくり曲げていきます。
- 上に乗せている方の内ももが伸びるのを感じます。
*息を吐きながら15秒×3セットを目安に両足行います。
まとめ
膝の変形で代表的な、O脚とX脚について紹介しました。
いくつになっても、痛みなく真っ直ぐ綺麗な足には憧れるものです。
上手に対処することで、綺麗な足を目指すことはできます。みなさんも今からでも諦めず、O脚やX脚にならないよう頑張ってみてはいかがでしょうか。
参考文献
関節可動域障害 その評価と理学療法・作業療法