長友選手も経験した半月板損傷とは!?スポーツ復帰や回復の目処は?
長友選手も経験した半月板損傷とは!?スポーツ復帰や回復の目処は?
膝の痛みを引き起こすもので半月板損傷があります。一度は聞いたことがあるかもしれませんが半月板損傷は膝のスポーツ外傷で最も頻度の高いものになります。
サッカーの長友選手などもこの半月板損傷を経験しています。
今回は半月板損傷について話していきます。
半月板とは?
半月板とは大腿骨と脛骨で構成される膝関節の間にある軟骨の一種です。
内側半月板、外側半月板と内外側にそれぞれ1つずつあり内側はCの形、外側はOの形をしています。
半月板の機能は
- 関節の適合性を良好にする
- 緩衝作用を持つ
- 可動域を適正に保つ
- 関節内圧を均等化する
になります。
つまり膝関節を安定させること、荷重を分散させることが半月板の主な役割になります。
受傷機転
体重がかかっている状態で曲がっている膝に強い回旋ストレスが加わると、半月板が上下の骨にはさまってしまい損傷します。運動中に膝を捻った際に損傷しやすいです。
一回で損傷するより同じ動作が繰り返されることで発生することが多いです。
受傷原因はスポーツによるものが多く、ほとんどのスポーツで損傷する可能性があります。
また前十字靭帯損傷や軟骨損傷などの合併損傷も多いです。
症状
損傷した半月板の同じ側に痛みが発生します。安静にしていると痛みはあまりなく、ほとんどが階段やしゃがみ込み動作の時に生じる運動時の痛みです。
また半月板の外縁まで損傷している場合は関節の中に血が溜まってしまいます。
運動時に膝関節に何か挟まった感じを訴え、それがさらに重度になると膝を伸ばすことができなくなるロッキングという症状が出ます。
ロッキングは損傷した半月板が関節に引っかかることで起こると言われています。
年齢・性別関係なく起こり痛みを伴います。
治療・手術
半月板の外縁は血行が良好ですが、内側ほど血行は不良です。
半月板の治療は保存療法、縫合術、切除術とありますが、半月板が損傷している部位や損傷の仕方により適応が決まってきます。
ロッキングして膝が動かない、痛くて歩けないみたいに重症な場合や、早くスポーツ復帰したい場合を除き、ある程度の状態であれば保存療法が選択できます。
リハビリをしながら経過を追い、変化がなければ手術をすることになります。
縫合術は損傷した半月板を縫い合わせる手術になります。
これは損傷している場所が半月板の外縁に当たる場合に適応になります。
外縁は血行が良好で、半月板の癒合が期待できるためです。
逆に外縁でない部分は血行が不良なため半月板の癒合は期待できません。
そのため縫合術ではなく切除術を行うことになります。
切除といっても半月板全てを切り取るわけではなく、損傷して引っかかりそうな部分のみ切り取ることになります。
半月板を切除した場合、荷重の分散機能が低下してしまいます。
そのため軟骨の損傷が起こりやすくなり、将来的に変形性膝関節症に進行するリスクがあります。
若年者に対しては、切除による将来の変形性膝関節症の予防という視点からできる限り縫合術を行い、半月板をなるべく温存する治療がよいと最近は言われています。
リハビリ
術後のリハビリは切除術と縫合術で少し違ってきます。
縫合術の場合、初期は免荷が必要になってきます。
免荷とは足に体重をかけてはいけないということです。約2~3週免荷期間があり、その後体重をかけて歩いていくことになります。
切除術の場合、術後翌日から痛みに応じて体重をかけていくことができます。
手術から1週間もすれば杖を離して歩くことができます。
どちらの手術でも膝関節の可動域の獲得と、太もも周囲の筋力強化は重要になってきます。
膝にかかる負担は意外と大きく、普通に歩くだけでも体重の4倍の負担がかかります。しっかりと太ももの筋力をつけて膝への負担を減らすことが重要になってきます。
スポーツ復帰は早くて3か月くらいから可能です。
縫合術の場合はそれより遅くなり、半年程度かかる場合もあります。
術後のリハビリは切除術のほうが縫合術よりも短期間で済みますが、変形性関節症の進行というリスクがあることも忘れてはいけません。
おわりに
今回は半月板損傷について述べていきました。
半月板とは膝の衝撃を吸収する機能を持ち、半月板損傷はその機能が壊れてしまう事になります。
半月板が損傷するとロッキングや引っかかり、痛みが出てきます。
治療法は保存療法・縫合術・切除術とあります。
それぞれに特徴はありますが、どの治療法を選択したとしても太ももの筋力強化を図り、膝への負担を軽減することが重要になってきます。